妊娠・出産は女性の人生における最大級のイベントです。自分の体からまったく新しい別の命が生まれるだなんて、理屈ではわかっていてもやはり神秘的で不思議ですよね。
それだけの大仕事とあって、妊娠・出産を経る間に女性の体は大きく変化します。体型はもちろんのこと体質も目まぐるしく変わっていきますし、産前と産後でまったく食べ物の好き嫌いが変わってしまうというケースさえあります。
ですから、もちろん美容の面でもいくつかの変化が見られます。たとえば、体の黒ずみもそう。妊娠・出産を経た結果陰部が黒ずんでしまったという悩みは、多くの女性が経験しています。
今回は、産後によく見られる陰部の黒ずみについて、原因やケア方法をまとめてみました。
妊娠・出産で黒ずみができやすい理由
妊娠中はメラニン色素の生成量が増える
まずは、黒ずみというものの正体について考えてみましょう。陰部に限らず、すべての黒ずみは色素沈着によるものです。日焼けからシミからソバカスにいたるまで、黒ずみはメラニン色素が多く作られることによって起こります。
と、こう書くとまるでメラニン色素が悪者であるかのようですが、人間の体の機能としてはむしろ正義の味方だといえます。なぜならメラニン色素は、外的な刺激から皮膚を守ってくれているからです。日焼けすると肌が小麦色になるのも、紫外線によるダメージから体を守るためなのです。
まして妊娠中というのは、ふだん以上に体を保護する必要が出てきます。大事な赤ちゃんがお腹の中にいるのですから、当然ですよね。そのため、ホルモンバランスが変化してメラニン色素が作られやすくなっている状態なのです。
ホルモンバランスの変化はターンオーバーを鈍くする
メラニン色素の働きで皮膚が一時的に黒ずむことは、頻繁にあります。だからといって、すべてのメラニン色素がそのまま沈着してしまうわけではありません。子供の頃はろくに日焼けのケアなんてしていなくても、いつのまにか元の色に戻っていましたよね。これは、新陳代謝によって皮膚が生まれ変わって、自然と黒い皮膚が剥がれ落ちているためです。
ところが、ホルモンバランスが不安定な状態だと、皮膚のターンオーバー(生まれ変わり)が鈍くなります。すると、古い皮膚がしっかりと剥がれてくれず、いつしか黒ずみとして沈着してしまうというわけです。
妊娠から出産にかけてはホルモンバランスが変化している状態なので、思うようにターンオーバーが進んではくれません。
出産によって陰部は大きなダメージを受ける
出産は女性の体に多大な負担をかけます。体力的にはもちろんのこと、物理的なダメージも甚大です。なにせ、あんなに大きな赤ちゃんがあんなに小さな女性器から出てくるわけですから、陰部周辺の細胞は非常に酷使されてしまっているのです。
そうしたダメージから皮膚を守るためにも、メラニン色素は作られます。産後に陰部が黒ずんでしまうのは、それだけ体が頑張ったことの証拠だともいえるでしょう。
産後の黒ずみのケア方法は?
結論から先に書いてしまうと、産後の陰部の黒ずみは必要以上に気にしなくても大丈夫です。なぜなら、出産後しばらくしてホルモンバランスが元に戻ると、次第に黒ずみも薄くなっていくものだからです。
なるべく栄養のある食事をとり、新陳代謝が活性化するように心がけましょう。ビタミンCを豊富に摂取することも、メラニン色素の抑制に繋がります。
気をつけたいのは、黒ずみが気になるからといってゴシゴシと洗ったりしないことです。産後しばらくは陰部の皮膚がデリケートになっていますので、刺激を与えると傷つきやすくなり、よけいに黒ずみが悪化する原因にもなります。いつも以上にやさしく扱ってあげるよう心がけましょう。美白クリームなどの利用も、産後数ヶ月はやめておきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか? 産後に陰部が黒ずむのは、いわば立派に出産をした勲章のようなもの。まずはやさしく扱ってあげて、しばらくは経過を見るだけで大丈夫なはずです。ダメージを追加するようなことだけは絶対に避けましょう。
もし数ヶ月経過しても黒ずみが薄くならないようであれば、その段階になってから通常の黒ずみ対策をしても遅くはありません。神経質になりすぎないようにしましょう。
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