デュファストンは不妊治療などで処方される薬となりますが、合成ホルモン製剤のため一時的に軽度の症状がでることも稀にあります。
また、ごく稀ではありますが、アナフィラキシーショックや脳梗塞などの重篤な副作用も出現する可能性もありますので、予備知識としてデュファストンの副作用は知っておいた方が無難なところです。
前回の記事でデュファストンについて詳しくみてきましたが、今回はその副作用についても詳しく書いていこうと思います。
デュファストンの副作用一覧
デュファストンの副作用について詳しく調べてみたところ思いのほか沢山あったのでまずはそれらを軽度のものと重度のものに分けてみました。
- 吐き気、嘔吐
- 食欲不振
- 体重増加
- むくみ
- 倦怠感
- 肝機能異常
- 眠気、頭痛、めまい
- 発疹
- かゆみ
- じんましん
- 憂うつ
- イライラ
- 便秘
- 下痢
- 頻尿
- 多汗
- 下腹部痛
- 出血
- 消退出血
- 着床出血
- 腰痛
- 月経前症候群（PMS）
- 妊娠超初期症状
- アナフィラキシーショック
- 脳梗塞
- 眼球突出
いくつかの有名なサイトや文献に載っていた副作用を全てリストアップして見てみると副作用がかなり多いようにも見えます。。しかし、実際のところはこれらの副作用が表れることは稀ですのでそこまで心配する必要はないかと思います。
現在デュファストンを服用中の方、もし不安を煽ってしまった場合はすみません。。副作用が出る確率が1番高いものとしては、1番最初に書いた「吐き気」が0.5％で次に高いのが「嘔吐」と「食欲不振」でそれぞれ0.2％とされており副作用を起こす確率はかなり低いようですのでご安心頂いて問題ないかと思います。
ディファストンの副作用【軽度】
次にリストアップした副作用（軽度）の中から発症する可能性が高い副作用について順に詳しく見ていきましょう。
また、副作用全体の注意点となりますが、服用中に少しでも身体の不調を感じた方はかかりつけ医にご相談することをオススメいたします。
吐き気、嘔吐、食欲不振（消化器系の症状）
先程も説明させて頂いたとおり、データ上では吐き気(0.5％)、嘔吐(0.2％)、食欲不振(0.2％)が副作用の割合で1番多いようでした。デュファストンの副作用の多くはこれらの消化器系の症状であるということが良くわかります。
また研究者ではないのでハッキリと断言することはできませんが、その他の項目でリストアップした「便秘」「下痢」もほかのサイトでは記載されており、もしかすると消化器系の症状に付随した症状であるかもしれません。
肝機能異常について
まず知っておきたい情報としては、デュファストンなどのホルモンに作用する薬は基本的に肝臓で代謝されることとなります。重篤な「肝障害」「肝疾患」をお持ちの場合は肝障害が悪化する可能性がありますので注意が必要です。
また、デュファストンなどの黄体ホルモン製剤で共通する注意点として、軽度の肝機能異常があらわれることがありますのでこのことも頭の片隅に入れておきましょう。
デュファストンは処方される薬ですので、お医者さん側も肝障害の既往歴（以前肝臓について何か病気をしたか）について、ヒアリングするとは思いますが、万が一聞かれなかった場合で、既往歴のある方はそのことを医師に伝えた方が良いでしょう。
発疹(かゆみ、蕁麻疹)
発疹についても副作用があらわれる確率がでており0.1％未満とされています。ということは1000人に1人よりも少ない割合でこの副作用がでるようです。ここまでくると本当に可能性としては低いですが、念のため知っておいた方がいいでしょう。
また、ほかのサイトにも副作用として「かゆみ」や「蕁麻疹」が挙げられていましたが、発疹に付随するものであるかと思います。
デュファストンの副作用【重度】
重度の副作用については命に関わるアナフィラキシーショック、脳梗塞について詳しくみていきましょう。
アナフィラキシーショック
副作用の中でもごく稀ですが、アナフィラキシーショックを引き起こす場合があるとのことです。アナフィラキシーショックとはアレルギー物質に対して身体が過剰に反応してしまい、あらわれる症状で最悪の場合死にいたる可能性があります。
症状としては非常に短期間（数分～数時間）の間に全身に蕁麻疹ができたり、口周りやまぶたが腫れるほか、息切れ、せき、呼吸困難などの症状があらわれます。酷い場合は意識を失う、失禁するなどの重篤な症状が出てきますので、万が一デュファストンを飲んだあと短時間でこれらの症状があった場合は、すぐに医師による診断を受けるようにしましょう。
下記のサイトにアナフィラキシーショックの症状について詳しく掲載されていたので目を通しておくと安心です。
参考：アナフィラキシーの症状
なお、アナフィラキシーショックは一旦治まった場合でも、再び症状があらわれるケースもありますので、もし症状が治まった場合でもすぐに病院で医師の診察を受けることが重要です。
アナフィラキシーショックの症状自体は非常に怖いですが、実際のところ薬物全体で見てもアナフィラキシーショックでの死亡者数は年間20～30人くらいですので、デュファストンでの副作用としては極めて稀であることがわかります。
脳梗塞
脳梗塞はご存知の方も多いとは思いますが、脳の血管がつまることで、それ以下の部位の脳組織が壊死してしまうことをいいます。もし、急にろれつが回らなくなったり、急に視野が狭くなるなどした場合はすぐに病院で医師の診断を受けることが大切です。
参考：脳梗塞の前兆と初期症状
副作用が出る時期と出た場合の期間
今回紹介したデュファストンの副作用は軽度なものが多くあらわれる可能性も低いですが、もし出た場合は通常どれくらいの期間続くのでしょうか？
デュファストンの副作用は基本的に薬を服用し始めてすぐにでることが多いようです。またデュファストンを服用することで黄体ホルモンの量が増えるため、身体が慣れるまで一時的に副作用がでることもあるようです。
デュファストンは黄体ホルモンと同じ効果があり、黄体ホルモンを補ってくれますので飲み始めは身体が敏感に反応することもあるかと思います。ですが、続けて服用していると身体もだんだんと慣れてくるため、副作用も次第に治まってきます。
このように副作用が出た場合でも重度の副作用でなければ次第におさまっていくことが多いですので、あまり心配する必要はありません。
また、いくら軽度といえども、眠気やだるさ、吐き気などの副作用がキツイと感じた方は病院のかかりつけ医に相談してみるのも良いかと思います。
デュファストンと併せて摂取したい葉酸
少し話がそれますが、デュファストンで積極的に妊活を行っている方知っておきたい「葉酸」という成分について少しお話します。
葉酸とは？
葉酸とはビタミンB群に属する成分で、その名の通り葉に多く含まれている成分です。
妊娠中の主な効果としては下記のようなものがあります。
- 妊娠しやすくする環境を作る
- 受精卵の細胞分裂を助ける
- 子宮内膜の環境をよくする
- つわり軽減
- 神経管閉鎖障害のリスク軽減
- 二分脊椎
- 無脳症
- 脊髄髄膜瘤
- ダウン症のリスク軽減
- 口唇・口蓋裂のリスク軽減
- 先天性心疾患
また、妊娠中以外でも葉酸は下記のような効果を発揮してくれます。
- 母乳の出がよくなる
- 産後の抜け毛
- 産後の回復
- 血液を作る
- 細胞の再生
- 自律神経を整える
- 男性不妊
- 精子の染色体異常への効果
- 脳梗塞
- イライラを緩和
- 抑うつ
- 倦怠感
意外と知られていないその他の効果
葉酸は女性の不妊に効果があるというイメージがありますが、実は男性不妊にも効果があるということをご存知でしょうか。男性不妊の原因の多くが性染色体異常によるものとされており、その原因の一つとして葉酸が慢性的に不足しているということが挙げられます。
すなわち男性側でも葉酸を適切に摂取することで、染色体異常への効果が期待されます。
また、「デュファストン」の副作用で挙げられる「脳梗塞」「イライラ」「抑うつ」「倦怠感」についても、葉酸を摂取することで予防することが期待されます。デュファストンを服用している方は併せて葉酸も十分に摂取しておきたいところです。
葉酸の効果については下記の記事で詳しく説明していますので良かったらご覧ください。
葉酸を効率よく摂取するには?
妊娠中の葉酸の摂取量は1日４００μg（マイクログラム）とされています。しかしながらこれを食事中から摂取しようとするとかなりムリをしなくてはなりません。
というのも、葉酸は水や熱に弱く、食品に含まれる葉酸（ポリグルタミン酸型）の吸収率は50％とかなり低いです。葉酸の多い食品で有名なほうれん草でも計算上は一日あたり6本以上食べないといけないということになります。
これを毎日続けるとなるとかなりムリがあることがよくわかりますよね。。また、この量を毎日食べなくてはいけないといったストレスも否めません。
この状況を打開できるものとしてモノグルタミン酸型の葉酸を使った、サプリメントの摂取が挙げられます。食品に含まれる葉酸（ポリグルタミン酸型）の吸収率は50％と低いのに対してサプリメントに含まれる葉酸（モノグルタミン酸型）は85％と高い吸収率を誇ります。
量もほうれん草6本に対してサプリメントでは一日4錠程度とかなり手軽に摂取することができますので葉酸サプリを使って葉酸の量を補う方が現実的であるといえます。
デュファストンと葉酸で妊娠に適した身体づくりを
今回紹介したデュファストンの副作用はほとんどが軽度でリスクが低いものがほとんどですが、中には脳梗塞などの重度な副作用もごく稀にあることも事実です。
葉酸には「脳梗塞」「イライラ」「抑うつ」「倦怠感」などにも効果がありますのでデュファストンを服用している場合は、葉酸も併せて摂取しておきたいところですね。
