ダイオウは便秘に効果があるとされているため、2000年以上前から中国では漢方薬の下薬として利用されてきました。
漢方の中で下薬に属するダイオウは非常に効果がある反面、副作用もありますので自身の体質に合うかを見定めることが重要となります。そこで今回はダイオウの副作用と効果について徹底的にまとめてみました。
ダイオウは便秘茶ではなく漢方薬が一般的
「ダイオウが含まれている便秘茶には注意」といろいろなサイトに書かれていたため調べてみたところ、そもそも便秘茶として売られていることの方が少ないようです。一般的に「大黄甘草湯」(だいおうかんぞうとう)という漢方で処方されることが多いようです。
「大黄甘草湯」は普通に薬局でも売られていて「ツムラ漢方大黄甘草湯エキス顆粒」が置いてあるのを良く見ますね。
東洋医学では一般的に運動不足で気が(停滞)滞った場合などに便秘が起こるとされています。そこで大黄が持つ「瀉」「降」という性質を利用し、滞った気の流れ下向きに流すことによって、便秘を解消させようとアプローチします。
- 駆瘀血(血流改善)
- 利胆(胆汁の分泌を促進)
- 消炎
- 抗菌
- 健胃作用
ダイオウの副作用
そもそもダイオウの成分は下剤と同じ効果
2000年以上も昔から使われてきた生薬なので、安心感がありますが、実際のところ効果を分類するとセンナ茶に含まれている「センノシド」と同じアントラキノン系の「刺激性下剤」に分類されます。
この下剤成分は長期間服用すると弛緩性便秘となり、かえって便秘を悪化させてしまう可能性がありますので、効果があったらその時点で服用を控えた方が良いでしょう。
長期間の服用でだんだん効かなくなってくる
ダイオウは上記で書いたとおり下剤の成分が含まれているため、長期間服用するとだんだんと大腸が反応しなくなり効き目が薄れてきます。
常習性がある
効き目が薄れてくると、更に多くのダイオウを摂取しないといけなくなります。「効き目が薄れる」→「服用量が増える」→「更に効き目がなくなる」→「更に量が増える」といったことを繰り返すことで薬に依存してしまう可能性も出てきます。
長期間の摂取で低カリウム血症になることも
このように長期間ダイオウが入った漢方薬を摂取し続けると、低カリウム血症になることもありその場合は筋力低下、動機、倦怠感、便秘などが症状にあらわれます。
刺激系下剤を長期間服用すると
センナやダイオウに含まれているセンノシドはアントラキノン系の「刺激性下剤」に分類され、これを長期間服用すると大腸メラノーシスという症状が現れます。
大腸に刺激が長期間与えられ粘膜が傷つけられることで「リポフスチン」が沈着しこのように黒く染まってしまいます。
これ自体には実害はないとされていますが、下剤成分の長期間の服用で大腸がんのリスクが2.75倍に上がるとも言われています。
ダイオウは急性便秘にはもってこい?
副作用もいろいろとあるダイオウですが生活環境が変わった等で一時的に便秘になった場合の対処法としてはピッタリではないかと思います。ただ、くどいようですが長期間の服用は便秘を悪化させてしまう恐れもあるため注意が必要となります。
自然に便秘を改善したいという方は生活習慣、食習慣改善の他にも便秘茶を飲んでみるのもいいかと思います。しかし、世に出回っている便秘茶のほとんどは今回紹介した「ダイオウ」「センナ」や「キャンドルブッシュ」「アロエ」のいずれかの下剤成分が入っていることが多いです。
その中でも「キャンドルブッシュ」は多くの便秘茶に配合されています。また、別名で成分表示に書かれていることもあり注意が必要です。そこで下記の記事で「キャンドルブッシュ」などの下剤成分を含まない便秘茶について徹底的にまとめてみました。興味のある方はぜひ一度ご覧ください。